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介護職の転職と年齢について
2019/08/16
介護職に転職適齢期はあるのか
転職する「適齢年齢」というものがあると聞いたことはありませんか?
例えば、「30歳代半ばが最後の転職のチャンス」といった感じのものです。
しかし、人材難が様々な業界で叫ばれている中で、こういった年齢の壁はなくなってきていると言えます。それは、介護職の転職でも同様です。
つまり、どの年齢の方でも転職を成功させるチャンスがあるということです。業界の垣根を越えた転職を拒まない介護業界は、比較的転職の窓口が広いと言えます。
今回は、介護職の転職と年齢について考えてみます。
介護職の転職の傾向
「所得を増やしたい」「人間関係の良い職場で仕事をしたい」など、転職で求める条件は様々です。
では、介護職として働く方々がどうして転職をするのかを考えてみましょう。
以下は、介護職に限定した「転職理由」についての統計データです。
(介護労働実態調査 平成25年)
1位 職場の人間関係に問題があったため 24.7%
2位 職場の理念や運営のあり方に不満があったため 23.3%
3位 他に良い仕事があったため 18.6%
4位 収入が少なかったため 17.6%
5位 将来の見込みが立たなかったため 15.1%
この統計データには介護職の転職の特徴が表れています。
それは「お金」を目当てとした転職理由の割合が少ないということです。「年収アップ」を求めた転職が少ないのです。
このことから、介護職として働いている方々の年齢層は比較的高いのではないかと推測できます。
その理由としては、20歳代~30歳代は年収アップを求めて転職をすることが多いのに対し、年齢層が高くなってくると「働きやすさ」を求める傾向があるからです。
また、介護職の転職は他の業種と考え方が少し異なっているように思われます。
ほかの業種の転職に比べて、お金にあまり固執せず、あくまで自分の考え方とマッチした事業所を転職先として選ぶ傾向があるのです。
このように「給与面」ではなく「労働環境」を重視する理由は、介護職の給与体系に特徴があるからかもしれません。
事業所の売上げは、介護度によって決められている介護報酬が主な収入源になるため、事業所によって、大きな差が出にくい仕組みになっています。
年収ベースでの話はここでは避けますが、例えば、同じデイサービスという種別であれば、大きな年収の差が出にくいのです。
介護職の年齢・性別の割合を知ろう
あなたは、介護職の平均年齢は高いと思いますか?
何歳ぐらいの職員の割合が多いと思いますか?
恐らく、ほとんどの方は大まかな数字とイメージしか出てこないのではないでしょうか。
介護職の転職を考えるうえで、業界労働力の平均年齢や働いている年齢層は知っていて損はありません。なぜかというと、その業界で自分が勝ち抜けるか、生き残れるかどうかを、自分の年齢と比較して考える必要があるからです。
では、介護職の年齢の割合を見てみましょう。
平成29年度の調査によると、介護職の年齢構成は30~49歳代が主流です。
平均年齢は、他業種と比べても、特別に高いわけではありません。
一方、性別の割合を見てみると、特徴的な数字となっています。
女性 74.2%
男性 23.6%
女性の割合が非常に高い業界ということが分かる結果になっています。
この結果は、記事をお読みになっているあなたにとって、いい結果でしょうか?それとも、悪い結果でしょうか?
もちろん、読んでいる方が男性か女性かによっても、意見は分かれるでしょう。
私は、この結果を見て、男女ともにチャンスが非常に多い業界だと改めて感じました。
それは、男女差がなく、キャリアアップをしやすいからです。
男性が少ないことで、男女双方にキャリアアップのチャンスが巡ってきやすくなります。逆に、女性が多いことで、女性は男性に比べてキャリアアップを強く望む方が少ない傾向にあるので、キャリアアップを望む方がチャンスを掴みやすくなります。
とはいえ、少人数の事業所では役職がないという方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、事業所の拡大などの別の方法を考える必要が出てくる可能性もあります。
年齢層の高い方の介護職の転職について考えてみる
最初に申し上げたいのは、介護職は年齢による転職の制限がないということです。介護職は年齢に制限なく転職が可能であり、年齢や経験に応じてチャンスがあります。
現在の介護業界では、他業種からの柔軟な考え方が必要になってきていますので、知識、経験、そして人脈は十分に活用できるのではないでしょうか。
介護職への転職後は、それをどうアピールして自分の評価につなげていくかが非常に重要になります。
介護業界に限らず、年齢によって転職に対して求めるものは変わってきます。
年齢層の高い方の介護職の転職では給与アップを求める方は少ない傾向にあります。
給与アップを求めるのか、それとも、人間関係の良い環境を求めるのかは、人それぞれで違い、それを可能にするかどうかも自分次第です。
介護職への転職に年齢の制限がないといっても、転職は「自分次第」ということです。これはどんな業界の転職でも同様のことが言えます。
転職する際に、若い年齢層の方はどの職場でも貴重な存在になります。しかし、年齢層が高い方は、やはりハードルが少し高くなります。
ここで、少し私の経験を書かせていただきます。
私が有料老人ホームで西日本エリア統括マネジャーをしているときのことです。
75歳の男性の方が、前職をリタイア後の職場として就業を希望してこられました。
正直なところ、年齢層が高くても一人でも多くの人員が欲しかった時期でしたので、採用をさせていただきました。
これが結果として、大正解でした。
施設に入所されている利用者様と年齢が近いこと、利用者様を急かすことなく援助すること、仕事をしていくことが非常に評価されて、利用者様にも好評でした。
つまり、高齢であっても介護職であれば転職は十分に可能ですし、介護現場での仕事は十分にあり、貢献できるということが実感できました。
幸いにも、介護現場ではパソコン作業ができなくても、利用者様との会話だけでも十分に役割を果たすことができるのです。
まとめ
年齢によって、介護職の転職は「求められている役目」が異なってきます。
前項でお話をさせていただいた75歳男性の方の例では、「利用者様と年齢が近いことによる、若い世代にはできない共感ができる」ことが重要な役目だったように感じます。
転職希望者自身が転職に求める条件は当然ありますが、事業所にも転職者に求める条件や役目があることを忘れないでください。
もちろん、年齢によっても向いている施設形態や事業所は異なります。
転職希望の方々に、介護職の転職について注目していただきたいことは3つあります。
- この記事でフォーカスした「年齢の制限がない」こと
- 年齢によって役割がたくさんあること
- 他業種に比べて、キャリアアップをしやすい環境にあること
年齢に応じた介護職の転職という見方で考えると、上記の3つ以外でも各年齢層で魅力のあるポイントは非常に多くあります。
介護職の転職で、求める条件はそれぞれ違いがあると思いますが、30歳代を過ぎて、40歳代、そして50歳代でも、年齢に応じた魅力のある介護職の転職を検討していただければ嬉しいです。